
安彦良和――描き続ける人。
1947年、北海道遠軽町生まれ。アニメーター、キャラクターデザイナー、アニメ監督、漫画家として、半世紀を超えて日本のアニメーションと漫画の第一線を歩み続けています。
『宇宙戦艦ヤマト』をはじめとするアニメーション作品で注目を集め、『機動戦士ガンダム』ではキャラクターデザインとアニメーションディレクターを担当。人物の感情や生命感まで描き出す画によって、作品世界に決定的な輪郭を与えました。
その後も『アリオン』『巨神ゴーグ』などのアニメーション作品を手がける一方、『ナムジ―大國主―』『虹色のトロツキー』『王道の狗』『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』など、神話、古代史、近現代史を見つめる漫画作品を発表。人間が歴史の中で何を選び、どう生きるのかを描き続けています。

そして1988年、『鋼馬章伝』へ。
1988年、安彦良和は、馬や牛の姿をした鉄の駆動機械「鋼馬(ドルー)」が駆ける異世界の物語『鋼馬章伝』を生み出しました。
機械でありながら、人間を見下ろすような気高さを持つ鋼馬。その背にまたがるドルーク騎士たち。神聖帝国ボナベナの辺境を舞台に、貧しい馬丁の少年スークと、片耳の欠けた古い鋼馬ヴァロの旅が始まります。
身分、戦争、欲望が交錯する世界で、人々が何を選び、どう生きるのかを描く物語です。歴史と人間を描き続けてきた安彦良和の視線が、異世界ファンタジーの中にも深く息づいています。

失われかけた物語を、声で甦らせる。
長く眠っていた『鋼馬章伝』は、実力派声優陣の演技と音楽によって、オーディオブックとして新たな命を得ました。
安彦良和が描いた世界を、今度は声と音で。その物語は、時を越えて再び走り始めています。
冒頭ナレーション 銀河万丈
